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生理食塩水バッグ:
滅菌された生理食塩水が外膜に包まれています。
シリコンジェルバッグ:
粘度が低く液体に近いシリコンのジェルが外膜に包まれています。
コヒーシブシリコンジェルバッグ:
外膜が破れても簡単には漏れ出さないよう、粘度の高いシリコンが外膜に包まれています。
人工物であるインプラントは人体に悪影響を与える可能性があると懸念されており、医学、科学の分野で研究が進められています。また、米国のFDAは数多くの公式な見解を発表し、インプラントの移植を予定している方に対して情報提供を行っています。乳癌の切除等で乳房再建を希望する女性は多く、下記に挙げる高いリスクを持つインプラントを使用した再建術がよく行われています。
以下はシリコンジェルバッグや生理食塩水バッグを使用した豊胸術を行った際に考慮すべきリスクです。
◇外膜の破れ
生理食塩水やシリコンジェルを包んでいるインプラントの外膜は、体内で破れる可能性があります。生理食塩水バッグが破れた場合、内容物である生理食塩水は速やかに体内へ吸収されるため、バストが萎縮してしまいます。シリコンジェルバッグが破れた場合も徐々に萎縮します。バッグの外に出たシリコンジェルは体内に浸潤し、その結果、強い痛みや倦怠感など、様々な症状を引き起こすことが報告されています。
FDAは、インプラントを長期間体内に埋没している女性を対象に、MRIを使用して外膜の破れに関して研究を行いました。その結果、8割近くの女性でバッグの破れが確認されましたが、大部分の女性がそれに気付いていないことが明らかになりました。
◇カプセル拘縮
体内に異物が存在すると免疫反応により、硬く編み込まれたようなコラーゲン繊維が異物を取り囲むようにして形成されます。これをカプセルと言い、体内のインプラントを硬く締め付ける拘縮を起こすことがよくあります。カプセル拘縮が起きると、インプラントを移植してあるバストに強い痛みと変形が生じることがあります。治療のためには、インプラントの周囲の拘縮した組織を外科的に摘出するか、インプラントを抜去することになります。しかし、一時的に拘縮した組織を摘出しても、インプラントが体内へ存在する限り、再度カプセル拘縮を起こす可能性はあります。
カプセル拘縮には以下の4つのグレードがあります。
◇自己免疫疾患
関節や全身に強い痛みが生じるなどの症状が出る、自己免疫疾患とバストに移植されたシリコンバッグの関連性は世界的に研究されています。現在までのところ明確な答えは出ていませんが、FDAは関連性を疑っています。シリコンバッグを移植して7年以上過ごした女性は、繊維筋痛症(全身に強い痛みが生じる病気)や自己免疫疾患を引き起こしやすいという報告もあります。
リューマチの症状を訴える、シリコンバッグを移植した96人の女性を対象とした興味深い研究があります。97 %の女性(43人のうち42人)はバッグの抜去により症状が緩和されましたが、逆にバッグを移植したままであった96 %(52人のうち50人)の女性はリューマチの症状が悪化しました。
◇細菌感染
インプラントを移植した女性のうち、約2 %の確率で細菌やカビによる感染を起こすことがわかっています。感染は手術中の処置が原因で起きることが多く、一般的に手術後数日から数週間後に感染がわかります。抗生物質を投与しても感染が収まらない場合は、インプラントを抜去する必要があります。
また、術後年月がたってから感染の兆候が明らかになることがあります。一般に、どの患者も若い頃は健康であっても、年齢を重ねると糖尿病を発症するリスクが高くなります。糖尿病の患者は細菌感染に対して抗生物質などでは十分治療できないことがあります。その場合、速やかにインプラントを抜去しない限り命に関わることすらあります。
コヒーシブでないシリコンジェルがバッグ外に漏出した場合は、周囲にしみ出し、皮膚を突き破って体外に出てくることがあります。体外に通じた傷口から細菌が侵入し、バッグ内まで感染が発生することもあります。治療にはバッグを抜去するだけでなく、シリコンがしみ出した部位も皮膚を含めて切除する必要があります。目立つ場所に大きな傷ができてしまうことがあります。
どの種のインプラントであっても、インプラント挿入は感染へのリスクを負った治療です。
◇痛み
大胸筋下への移植は手術後に強い痛みを伴うことがありますが、乳腺下への移植の場合は比較的弱いといわれています。カプセル拘縮などにより常に痛みを生じることもあります。
◇シリコンバッグから溶け出す白金
シリコンバッグに含まれている白金は体内で溶出し、血管やリンパ腺を経由して骨組織に蓄積することが明らかになりました。バッグの抜去を行っても、長期間に渡り骨組織中に存続していることも報告されています。
また、シリコンバッグを移植している女性の母乳中の白金濃度は、移植の経験がない女性の母乳と比較すると約100倍高濃度であり、尿中においては1,700倍であるというデータもあります。
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